山本嘉寛建蓄設計事務所『引き算の家』

山本嘉寛建蓄設計事務所『引き算の家』

今回の建築作品インタビューでは、山本嘉寛建蓄設計事務所の山本嘉寛さんが手がけた作品『引き算の家』をご紹介します。

『引き算の家』は、若いご家族のためのシンプルなマンションリノベーションです。一般的に中古マンションは流通上の効果を期待して必要以上に部屋を細分化し、室数を水増しする傾向があります。今回のマンションも一応3LDKではあるもののLDKはダイニングテーブルを置くのが精いっぱい、生活の中心となるスペースが無い状態でした。
限られた予算とスペースの中で充分な生活空間を確保するため、天井や不要な間仕切りを取り払って大きなLDKをつくり、必要最小限のキッチンと多目的な可動棚のみを合板で製作しました。肌触りの良い無垢フローリングの上で半椅子座・半床座の気取らない生活を送ることができます。

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1.施主さんとの出会い

Q.施主さんはどのような経路で問い合わせて来られましたか?

自社のホームページです。

Q.施主さんの問い合わせの動機はどのようなものでしたか?

ホームページに掲載していた設計例がイメージに近かったためご相談をいただいたようです。

Q.施主さんは初期問い合わせ時にどのくらいの情報量(知識)をお持ちでしたか?

住宅メーカーや展示場などをある程度回って情報集めをしていた状態でした。

Q.施主さんの最終的な決め手は何でしたか?

設計内容とコストが決め手になったようです。

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2.契約に至るまで

Q.契約までに要した打合せ回数は大凡合計何回になりますか?

2回です。

Q.初回の打合せでどのような要望がありましたか?

小さく区切られたLDKと和室を一続きに改変した大きな空間を限られたコストの中でつくりたいとのご要望でした。素材は無垢フローリングとペンキ、合板のシンプルなイメージをお持ちでした。

Q.図面などの具体的な提案は何回ほど行いましたか?

10回程度です。

Q.この物件の設計監理契約に至るまで特に苦労したポイントはどこですか?

スムーズに契約に至ったため、特にありません。

Q.施主さんがこの物件の設計で一番重要視したこだわりはどこですか?

キッチンとダイニングの関係性です。

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3.実施設計から工事まで

Q.見積もりは何回ほど提出しましたか? また、複数の工務店から相見積もりを取りましたか?

3回程度です。相見積もりも取りました。

Q.キッチン、バス・トイレ、照明など、各種メーカー選定はどのように行いましたか?

キッチンは家具製作。ビルトインする設備機器はお施主様のご希望をうかがいながら決定しました。バス・トイレは既存利用してローコスト化。照明器具はお施主様のイメージを反映した耐震電球としました。

Q.この資材を使って欲しいなど特殊な要望はありましたか?

無塗装の無垢ナラフローリング、ペンキ塗装の壁・天井です。

Q.施主さんがこの物件の実施設計で一番重要視したこだわりはどこですか?

全体的なナチュラルな質感や合板の色味などは最終段階まで検討されました。

Q.工事に際し、ご近所トラブルなどはありませんでしたか?

玄関の既存床を斫(はつ)る作業について近隣住戸から騒音苦情がありました。

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4.工事から完成まで

Q.工事〜完成までどのくらいの期間を要しましたか?

2ヶ月程度です。

Q.工事に入った後に施主さんから追加の要望はありましたか?また、それは実施されましたか?

特にありませんでした。完成後のすり合わせも事前にCGを作成し、工事中も現場にて何度も打ち合わせするため、イメージが違うという問題は起こりませんでした。

Q.この物件の工事時に一番大変だった所はどこですか?

既存の天井板を剥がして天井高を上げ、上階のコンクリートスラブを平滑に補修してペンキ塗装しています。また、天井裏には電気配線がたくさん通っており、オープンにするにあたって全て撤去し別に配線し直す必要がありました。

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5.完成から入居後について

Q.初期不良の相談はありましたか?

特にありませんでした。

Q.何年かしてから経年劣化が現れた所はありましたか?

無塗装とした無垢フローリングは、特に水廻りに経年劣化が見られます。

Q.施主さんと完成後に個人的に会ったりなど関係性は続いてますか?

たまに連絡がある程度です。

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どうすれば既成概念に囚われず、シンプルに、今日的に、より良い建築を世の中に増やすことがことができるか、を常に考えながら設計を行っています。一見マイナスと思われるような条件や制約の中にも無限の可能性があります。 あんなこともしたい、こんなこともしたい、 建主さまの色々な可能性を一つの空間に練り上げることが私共の楽しみです。