中川龍吾建築設計事務所『市ヶ谷の家』

中川龍吾建築設計事務所『市ヶ谷の家』

今回の建築作品インタビューでは、中川龍吾建築設計事務所の中川龍吾さんが手がけた作品『市ヶ谷の家』をご紹介します。

『市ヶ谷の家』は、新宿区内のオフィスビルの建ち並ぶ通りから、住宅地への入口付近に計画したものです。敷地は近隣商業地域と第二種中高層住居専用地域にまたがる防火地域内にあり、また幹線道路から近いことから、防火と騒音対策上の理由で、RC(鉄筋コンクリート)造としたものです。
2方がビルや擁壁上部に建つ隣家に囲まれた敷地にあって、階建てであっても各階の諸室に自然光が射し込み、風通しが良く、更に周囲からのプライバシーを確保できる家とすべく、家の中央部に設けた光庭に大きく開く家としました。
また、3層にわたるこの光庭は、2階部分では中庭として利用し、更にこの中庭の脇に光庭やトップライトを設けることにより、1階部分へも光を導くための場としたものです。
また中川さんが手がける他のRC住宅と同様、鉄筋コンクリート造外断熱工法を採用しました。これにより、安定した室内温湿度環境を得やすいだけでなく、良質な衛生環境、結露防止、躯体保護による建物の耐久性向上をはかったものです。

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1.施主さんとの出会い

Q.施主さんはどのような経路で問い合わせて来られましたか?

自社のホームページです。

Q.施主さんの問い合わせの動機はどのようなものでしたか?

過去の建築作品、ホームページにて記載している家づくりに対する考え方に共感をお持ちいただいたようです。

Q.施主さんは初期問い合わせ時にどのくらいの情報量(知識)をお持ちでしたか?

土地や資金面など条件面をある程度決めている状態でした。

Q.施主さんの最終的な決め手は何でしたか?

提示した案はもちろんですが、面談にあると思います。

市ヶ谷の家02

2.契約に至るまで

Q.契約までに要した打合せ回数は大凡合計何回になりますか?

3〜4回程度です。

Q.初回の打合せでどのような要望がありましたか?

障害をお持ちのお子様と暮らす家の特殊性や家のイメージに関してだったと思います。

Q.図面などの具体的な提案は何回ほど行いましたか?

6~7回程度です。

Q.この物件の設計監理契約に至るまで特に苦労したポイントはどこですか?

特に苦労というものはありません。むしろ設計の初期段階というのは設計の中でも特に面白く楽しく、ワクワクしながら作業を行う段階だと思っています。

Q.施主さんがこの物件の設計で一番重要視したこだわりはどこですか?

障害をお持ちのお子様と暮らす家としての動線や部屋の配置だと思います。

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3.実施設計から工事まで

Q.見積もりは何回ほど提出しましたか? また、複数の工務店から相見積もりを取りましたか?

3回程度です。相見積もりも取りました。

Q.キッチン、バス・トイレ、照明など、各種メーカー選定はどのように行いましたか?

キッチンとトイレは建て主さんがショールームで決められました。それ以外については設計者側から提案をさせていただきながら決めました。浴室は木製にしたいとか浴室用テレビを設けたいとかさまざまなご要望がありましたが、それらのご要望をもとに設計をまとめました。

Q.この資材を使って欲しいなど特殊な要望はありましたか?

ダイニングの排気機能付照明(焼肉用)、木の浴槽の製作所、家具の取手等、さまざまなご要望がありました。

Q.施主さんがこの物件の実施設計で一番重要視したこだわりはどこですか?

周囲にビルが隣接していたり、家の前を近くの仕事場の人が通る事などから、「外部に対してはプライバシー上で閉じた家としながらも、家の中からは外部に対して開放的でかつ明るい家とする」という課題をいかに解決するかが、最も重要視されていたものと思います。

Q.工事に際し、ご近所トラブルなどはありませんでしたか?

特にありません。

市ヶ谷の家04

4.工事から完成まで

Q.工事〜完成までどのくらいの期間を要しましたか?

10ヶ月程度です。

Q.工事に入った後に施主さんから追加の要望はありましたか?また、それは実施されましたか?

細部においてはご要望がありました。もちろん実施しています。また図面だけでなく、模型の大小ふたつ作製してご理解をいただいていたこともあり、当初のイメージ通りだったように思います。

Q.この物件の工事時に一番大変だった所はどこですか?

屋根や外壁上部が大きなアーチ型の為、この施工にはやや苦労されたと思います。また、室内の壁がリシン掻き落としのような施工を行う自然素材であり、施工時の温湿度も施工に影響する為、冬場の内装工事ということもあってご苦労を頂いたものと思います。

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5.完成から入居後について

Q.初期不良の相談はありましたか?

特にありませんでした。

Q.何年かしてから経年劣化が現れた所はありましたか?

玄関廻りに無垢板を使用しているので、若干色が変化しました。しかし軒が大きく出ていて直接雨がかからない為、含浸タイプの塗装ですが劣化はあまり進んでいません。もう少し様子をみて、塗装が飛んできたらメンテナンスのお話をしようかと思っています。

Q.施主さんと完成後に個人的に会ったりなど関係性は続いてますか?

たまに連絡がある程度です。

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家づくりにおける建て主さんの最大のご希望は、自分たちの夢や希望を叶えた「いい家」をつくることです。 「いい家」づくりに特に重要なこと、そして私が特に重要視していることは、住まいづくりにはさまざまな要素がありますが、 「充分なコミュニケーション」 と、これをベースとした 「住みやすく整理されたプラン」 だと考えています。