土地の税金額は、税理士が10人いれば10通り!?

土地はたいせつな財産ですが、重い税金がつきものです。だから対策に頭を悩ませるわけですが、実はその税金額そのものが違っていることも、世間では意外とよくあることです。

たとえばBさんは岡崎市の農家ですが、ある税理士さんに、無料の相続税計算をしてもらったばかりでした。私はその結果を受けて訪問したのですが、関係書類を拝見するうち、ふと引っかかりを感じました。どうも土地の評価額が、高すぎるような気がしてなりません。

「評価は高い方がいいじゃないか」と思われる方もいるでしょうが、土地の評価は相続税を計算するモトになるものですから、評価額が高ければ高いほど、税金も上がってしまいます。

そこでBさんに、土地の視察と再評価を提案。私が信頼する税理士の先生にも同行してもらうことにしました。こうして細かく調べた結果――なんとBさんの土地の評価額は、3000万円も高かったことが判明したのです。無料計算はあくまで概算ですから、誰でも高めに評価するのですが、正しい額との間に3000万円もの差があると大変です。計算上では多額の相続税が発生。その対策のために余分な借入れ等を行うことになりかねません。なぜこんな間違いが起きるのでしょう?

たとえば高低差がある土地は使いにくいので、その場合、土地の評価は下がります。他にもいびつな形状や、500平方メートル以上の広すぎる土地、高圧線の通る場所など、土地には評価を下げる「減額項目」がたくさんあります。これらを細かくチェックすれば、評価が半分になることも珍しくありません。

しかし減額項目はあまりに多いため、専門家でもすべてを把握している人は限られています。よって土地問題に詳しい人と、経験の少ない人とでは、計算結果は大きく変わります。実は「土地の評価は、税理士が10人いれば10通り」と言われ、これは税務業界のこまった常識です。

ですから病気と同じように、税金面でもセカンドオピニオンが大切です。少なくとも土地の評価については、2カ所以上に聞く方がいいでしょう。

またその際は「自分で現地を歩いて判断する専門家」を選ぶことをおすすめします。土地の価値は、書類だけではわかりませんから。